NHKアニメ「エレメントハンター」を見て化学者になった理系女子の話
2010年にNHKアニメ「エレメントハンター」が放送されていた。
舞台は2089年。元素が失われ天変地異が起こるようになった地球を救うため、次元を超えて任務に臨む少年少女たちの冒険とほのかな恋を描く。
(wikipediaより)
近未来的世界観で少年少女たちが元素の力を用いて戦うという、エヴァンゲリオンとデジモンとSFを合わせたような世界観の話でした。
ストーリー自体は少年漫画っぽくて私的にはあまり刺さらなかったのですが、世界観のコンセプトと各モンスターの特徴は面白く拝見していました。
私はこのアニメによって化学の面白さの虜になり、化学を志して、来年から化学メーカーの研究開発職に就職します。私がこの進路を取ったのはエレメントハンターのおかげです。
五酸化二窒素について
第一話だけは覚えています。「五酸化二窒素」という化合物を利用して、モンスターを固めるか何かして退治していました。
(210717追記:アニメを見返してみたら、該当の話は第4話でした。失礼しました。)
そこで私はびっくらこいたのです。「5?…酸化…2?…窒素…??一体どんな構造式なのだ…?」と。
当時の私は中学3年生で、「価数」の概念をちょうど学んだばかりでした。炭素Cは4本、窒素Nは3本、酸素Oは2本、水素Hは1本の手が生えている、ということを学び、二酸化炭素やメタンの構造式を覚えているところでした。
酸素の2×5 + 窒素の3×2を満たすような手のつなぎ方はどんなのだ…?と、学校の理科の授業中にノートの裏にせっせと書いて考えた記憶があります。パズルのようでとても楽しかったです。
ちなみに、この問題の答えを得るためには、大学の有機化学で「共鳴構造式」の概念を学ぶ必要があります。下のような構造式になります。大学で感動したことのひとつです。
エンディングテーマ「スイヘイリーベ ~魔法の呪文~」について
このエンディングテーマは、元素を原子番号順にひたすら唱える歌で、もちろん暗記しました。今でも覚えていて、今でも周期表の横ならびを思い出したいときは歌って思い出します。
現在は特に第三周期の遷移金属(Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Znなど)を用いているので、そのあたりの順番がすらっと出てくるのは重宝しています。実際は縦で見ることも多いのですけどね。
ポップで覚えやすくて楽しい歌でした。
高校以降の思い出について
高校以降は別の記事に記しています。
この記事を書いた時は、アニメ「エレメントハンター」のことはすっかり忘れていました。
そしてつい最近、2022年卒で化学メーカーの研究開発職で就職することが決まりました。念願の研究職です!やったね!!あと1年大学院で研究頑張るよ!!
Dr. STONEについて
私がこの記事を書いたのは、このTogetterを見たからでした。
Dr. STONEという漫画にハマった幼稚園児の息子さんが、化学式をノートに記していてかわいいという記事です。
私はDr. STONEという漫画を存じ上げなかったのですが、色々と科学的な要素が出てくるようです。
この記事を読み、そういえば私も化学アニメ「エレメントハンター」を見て化学者になったな、と思い出して記事を書きました。
NHKさん、ありがとう。あなたが放送したアニメのおかげで、私は化学者になりました。
今後も、このようにコンテンツによっていろいろな進路を目指す子供が出ると嬉しいですね。