助教先生とのやり取り記録
先生
今年のラボ内テストの結果どうだった?(*弊ラボでは毎年この時期に有機化学と英語のテストを行います)
私
まあそんなにできた訳では無かったですけど、今の私の実力相応って感じですね。もっとお勉強しなきゃですね。
先生
まあ大丈夫だよ。奥田さんは研究者としての素質を持っているから
私
どの辺を指して言ってます?
先生
じゃあM1の3人で一番研究が進んでいるのは誰だと思う?
私
うーーーーーーん(長考)分からないです
先生
じゃあ反対に一番有機化学のお勉強ができるのは誰?
私
えーN山じゃないですか、知らないけど。
先生
その感覚は合っていて、3人のうち一番有機化学が出来るのはN山なんだけど、では一番研究が進んでいるのはって考えてらこれは意外にもF澤なんですよ。
ね、相関が無いでしょ
私
そうですねぇ。
先生
研究職にとって、お勉強ができることは必要条件ではないんですよ。そりゃあった方がいいけど。Y=aX+bでのbに相当する感覚なんだよね。
私
なるほど、確かにあった方がいいのは事実ですが、傾きの方が大事ですね。
先生
彼らみたいな(お勉強はできるのにあまり手を動かさなくて実験が進まないタイプ)は、うまくいかない理由を探すのが上手なんですよ。そしてその理由でもって、だからうまくいかなさそうだからやらなくていいい、という主張を稀にするんですね。それは頂けないですね。やってみてうまくいかないことを確かめるのが研究だからね。
私
その通りですね。
私
あの、よくいるじゃないですか、「あいつの方が頭悪いのに、教授の言われたとおりに実験しているだけでポンポン成功して成果が出るなんてむかつく」みたいな。あれは私は真だと思っているのですけど、先生はどう思っているんですか。
先生
あのね、(ここから熱く語り出す)俺がその学生に言いたいのはね、君がそういう主張をするんだったら、自分で考えて研究計画を立てて実行して成果を出しているんですか、と聞きたいですね。結果が全てなんですよ、研究職って言うのはね。結果が全てなんです!(もっと熱く語っていたがよく覚えていない。)
私
ふーん。ふぅーーーん(納得できず咀嚼中の返事)
先生
まあその学生の気持ちは分かるんだけどね。
とりあえず記録したが、私はまだこの話を咀嚼できていない。
私は、そういう主張(あいつは俺よりも頭悪い癖に~)を聞くと、「あなたより優秀でないから簡単なテーマを与えられて成功してごめんなさい」という気分になる。
以下私の主義ですけど。
最も教授のお手をお煩わせしない学生が最も優秀だ、と思うのですよ、私。
つまり村上先輩。あとは近田先輩とか。
ああいう、誰に相談しないでも一人で研究計画を立てて実行できる人間が優秀だと、最も評価されるべきだと思っている。
だから、私のM1のときみたいな、1反応かけるごとに先生に相談してじゃないと次どういう条件を振ればいいのか分からない状態とか、F澤みたいな操作ごとに細かく教授に聞いて実験を進める状況は、優秀でなくてけなされるべきで評価されるべきでないと思っている。少なくとも村上先輩はそういう学生を批判しているように私は感じていた。
先生に相談しなくても次にどうすればいいか判断して勝手に実験を進められることが優秀である証だと、私は判断している。
違うの?
でもなんか4年生を見ていると違うような気もしてきたの、最近。でも分からない。
もう分からないよ。