大学院生の引きこもりが3年かけて卒業を目指す日記

東京の大学院で毎日楽しく実験をしています。うっかり留年が決まったので3年で卒業できるよう頑張ります。専攻は有機化学。構造有機化学、合成有機化学、遷移金属触媒反応、超分子、ロタキサン。お酒と地下アイドルとシュミレーションゲームが好き。twitter:https://twitter.com/ch2cl21?s=09/

研究に向いている人。

思いついたまま書くから構成がなっていないけどごめんね

 

 

 一般人のイメージとして、ものすごく頭がキレる人が研究に向いていると思われそうだが(もちろんそのような分野もあるのだろうが)、実際の研究、特に実験科学の研究は、毎日毎日地道な実験の繰り返しであり、それに耐えられることが、頭がキレることよりも大切なのである。

 だから、いっそ少しバカな方が、研究には向いていたりするのである。

 

 でも私は、頭がキレる人が研究室であまり成果を出せないことを心苦しく思う。どうすればいいのか分からない。答えが出ない。

 

 

 私は頭は悪いが根性と勢いはあるバカなので、頭の切れる彼らに勝つためには圧倒的実験量しかないと思い、昼夜実験をしている(では圧倒的実験量かと言われると微妙なところである。進捗に出ない作業を優先させがち)

 

以下言い訳。

 最近碌な進捗を挙げられていないのは、実験の再現が取れておらず、その状態で研究を進むに進められないからである。その分、いつかやろうと思っていた原料の精製をめちゃくちゃ進めている。きちんと作業はしている。だから石を投げないで欲しい。

 

 

 あと、家事が上手な人は研究に向いているよ。限られた時間をどう組み立てて実験を進めていくかの能力はとても大事だし、あと実験卓をきれいに保つ能力も必要である。

 

 

 それから言語化能力はとても大切。他の人は自分が何の研究をやっているか分からないので、それをアウトプットしてアピールする力は必要。他人は、助けてと言えば意外と助けてくれるけれども、助けてと言わないと全く助けてくれない。同じラボでも、隣のデスクの人が何をしているかは全然分からない。

 

 

 あと何よりも体力。とにかく体力。私は素の体力は無いですが根性はあるので、週2日のラボ泊もさらっとこなせてしまう。特に有機化学は、一つのデータを得るために必要な作業と時間が多い傾向があるので、必然的に拘束時間が長くなり、体力が必要になりますね。

 

 

 

 

 

というのもね、どうしてこんな記事を書いているかっていうと先日とあるエピソードがありましてね。

ラボのM2に非常に頭の切れる男の子がいるのですよ。その彼は、しかし結構扱いにくい人で、ついでに言うとあんまり手を動かさなくて、あんまり研究が進んでいない。うまくいかない研究をやる意義が見いだせないようである。

あたし自身も、彼はあんまり話しやすい相手ではなく、ともすると私がブチ切れちゃいそうな会話運びをする人で(まあそれは切れてしまう私がいけないのだが)、まあ周りも比較的扱いに苦慮している。

彼がB4のときに、教授先生のテーマを行っていたのだが(テーマ①)、詳しい経緯は忘れたが、教授先生がセミナーで皆の前で彼を叱ったことに彼は怒り心頭で、彼と教授先生は仲違いし、翌年から新しい助教先生のもとに着くことになった逸話の持ち主である。私は当時、このエピソードは、むしろ教授先生が悪いのではないかと思っていたのですね。同様にセミナーで嫌味を言われてブチ切れた生徒は過去にも何人もいたから。でも昨日新たに聞いたエピソードを聞くに、別にそうでもないのかもしれない、と思い始めた。

 

それで、新しい助教先生は、1年半彼の扱いに苦慮していて。まず助教先生は彼に研究の進め方の希望を聞いたところ、

・まず人前で叱ってほしくない

・研究の進め方にはあまり口を出されたくない

・他忘れたが色々願望

と言われ、「すると俺は何も口出しできないなぁ」と助教先生は思ったそうである。

そして去年の春から新しい研究(テーマ②)を始めたわけだが(この時期は私引きこもっていたため詳しいことは知らない)、その研究があんまりうまくいかずに、結構早めに「もうこのテーマやりたくない」と言われたそうである。(ちなみにそのテーマは、その後助教先生が20実験くらい検討を重ねると成功し、B4に引き継がれて、もう論文化が見えている。)

 

それで助教先生は、絶対にうまくいく、共同研究の反応開発の反応機構解明のテーマ(テーマ③)を与えた。反応の開発自体は別研究室の学生がやっており、彼が反応機構解明のNMR実験などを行う予定である。この実験は、うまくいってる研究の機構解明の実験であり、手を動かすことは多くなくどちらかというと計算が多めである。

しかしこのNMR測定は、機器の都合上土日に行う必要がある。彼は、それならば平日は休みたいと希望したが、教授先生は一度それを突っぱねた。しかしその後助教先生が交渉し、土日にNMR実験を行うならその分平日は休めるようにしたそうである。助教先生も大変だなぁ。ところが、先生がNMR実験を妨害されたことにそんなに腹を立てたのか、就活が忙しくなってきたことが原因か、彼はNMR測定を進めようとしなかった。(この辺が確か去年の12月頃)

 

そのため、助教先生は新しいテーマを与えた(テーマ④)。これも先生が昔行っていたテーマで、絶対にうまくいくやつで、平日の空いている時間に可能である。精製は少し手間だが、我々のロタキサン合成と同じようなプロトコルで、ざっとカラムしたのちに、ピーク時間の分かっているGPCをかければいいだけである。操作はプロトコル化されているので、無心で同時進行で大量に行えばよろし。というタイプである。それもどうやら、先生の求めるペースの1/2か1/3くらいのペースらしく、2日で終わらせて欲しい精製に1-2週間かかっている。でも彼は助教先生に厳しく叱らないでと要望しているから厳しく言うことも憚られ、助教先生は非常に困っているらしい。

 

そして、今年の5月中頃に彼の就活は終了し、今やっているテーマ④と平行して、テーマ③のNMR実験もやってね、と指示したそうだ。しかしデータが上がって来ず、土日に実験を行っている気配が無い。助教先生は彼に進捗を聞くと、「これとこれとこれはやりました」と報告される。でも「じゃあ後でデータ送ってね」といってもデータが来ない。そうこうしているうちに共同研究先はどんどんデータを更新してくる。助教先生は焦っていたが何もできない日々を過ごしていた。

 

 

そしてこの間、とうとう共同研究先の先生に怒られたらしく、「遅い。もう待てないから今出ているデータだけでも提出してしまう。」と。それで助教先生はとても落ち込んで機嫌が悪いのですね。

私、共感性が高いから、助教先生の気持ちに感情移入して私まで苦しい気持ちになってしまう。

私は助教先生がその共同研究先の先生のことをとても尊敬していて、「敵わないなぁ」と日々思っていることを知っている。その先生を失望させてしまったショックとか、でもそれはデータ出さない彼が悪いじゃん俺のせいじゃねえしという気持ちとか、でもデータを出させるのも俺の仕事だし、この現状は俺の力不足かな…という気持ちとか、想像してしまう。苦しいね。

 

 

という訳で、助教先生はこの間彼に、「今あるデータだけでも出して」と言ったのだが、それから彼は欠勤を続けているそうである。

 

私、その彼とそれなりに雑談するほうの関係だけど、その辺の研究の現状を全く聞いていなかったのね。まずテーマ③をまだやっていたことも知らなかったし、テーマ③が共同研究ということも知らなかったし、そのデータ提出を迫られていることも全然知らなかった。あとテーマ④の実験の進め方が雑だということも全然知らなかった。彼が、いわゆるかっこつけしいの隠ぺい体質だということも知らなった。すごくショック。

 

駄目よ現状を自己主張できない学生は。周りの人というのはね、助けてというと結構助けてくれるけれど、助けてと言わないと全く助けてくれないのよ。

 

 

という訳で、このような現状を聞いて、どうしたもんかなぁと思っている訳である。助教先生に「あなたはどうしたらいいと思う?」と聞かれたが、もう全然解決策が思い浮かばないよ。

 

 

まあそんなことがあったのですよ

とりあえず自習室追い出されるので書き捨て。