大学院生の引きこもりが3年かけて卒業を目指す日記

なんとか卒業して社会人になってしまったのでタイトルどうしようか検討中。大学時代の専攻は有機化学のすみっこ、今は混ぜ物系高分子材料メーカーの新入社員です

研究に向いている人。

思いついたまま書くから構成がなっていないけどごめんね

 

 

 一般人のイメージとして、ものすごく頭がキレる人が研究に向いていると思われそうだが(もちろんそのような分野もあるのだろうが)、実際の研究、特に実験科学の研究は、毎日毎日地道な実験の繰り返しであり、それに耐えられることが、頭がキレることよりも大切なのである。

 だから、いっそ少しバカな方が、研究には向いていたりするのである。

 

 でも私は、頭がキレる人が研究室であまり成果を出せないことを心苦しく思う。どうすればいいのか分からない。答えが出ない。

 

 

 私は頭は悪いが根性と勢いはあるバカなので、頭の切れる彼らに勝つためには圧倒的実験量しかないと思い、昼夜実験をしている(では圧倒的実験量かと言われると微妙なところである。進捗に出ない作業を優先させがち)

 

以下言い訳。

 最近碌な進捗を挙げられていないのは、実験の再現が取れておらず、その状態で研究を進むに進められないからである。その分、いつかやろうと思っていた原料の精製をめちゃくちゃ進めている。きちんと作業はしている。だから石を投げないで欲しい。

 

 

 あと、家事が上手な人は研究に向いているよ。限られた時間をどう組み立てて実験を進めていくかの能力はとても大事だし、あと実験卓をきれいに保つ能力も必要である。

 

 

 それから言語化能力はとても大切。他の人は自分が何の研究をやっているか分からないので、それをアウトプットしてアピールする力は必要。他人は、助けてと言えば意外と助けてくれるけれども、助けてと言わないと全く助けてくれない。同じラボでも、隣のデスクの人が何をしているかは全然分からない。

 

 

 あと何よりも体力。とにかく体力。私は素の体力は無いですが根性はあるので、週2日のラボ泊もさらっとこなせてしまう。特に有機化学は、一つのデータを得るために必要な作業と時間が多い傾向があるので、必然的に拘束時間が長くなり、体力が必要になりますね。

 

 

 

 

 

というのもね、どうしてこんな記事を書いているかっていうと先日とあるエピソードがありましてね。

ラボのM2に非常に頭の切れる男の子がいるのですよ。その彼は、しかし結構扱いにくい人で、ついでに言うとあんまり手を動かさなくて、あんまり研究が進んでいない。うまくいかない研究をやる意義が見いだせないようである。

あたし自身も、彼はあんまり話しやすい相手ではなく、ともすると私がブチ切れちゃいそうな会話運びをする人で(まあそれは切れてしまう私がいけないのだが)、まあ周りも比較的扱いに苦慮している。

彼がB4のときに、教授先生のテーマを行っていたのだが(テーマ①)、詳しい経緯は忘れたが、教授先生がセミナーで皆の前で彼を叱ったことに彼は怒り心頭で、彼と教授先生は仲違いし、翌年から新しい助教先生のもとに着くことになった逸話の持ち主である。私は当時、このエピソードは、むしろ教授先生が悪いのではないかと思っていたのですね。同様にセミナーで嫌味を言われてブチ切れた生徒は過去にも何人もいたから。でも昨日新たに聞いたエピソードを聞くに、別にそうでもないのかもしれない、と思い始めた。

 

それで、新しい助教先生は、1年半彼の扱いに苦慮していて。まず助教先生は彼に研究の進め方の希望を聞いたところ、

・まず人前で叱ってほしくない

・研究の進め方にはあまり口を出されたくない

・他忘れたが色々願望

と言われ、「すると俺は何も口出しできないなぁ」と助教先生は思ったそうである。

そして去年の春から新しい研究(テーマ②)を始めたわけだが(この時期は私引きこもっていたため詳しいことは知らない)、その研究があんまりうまくいかずに、結構早めに「もうこのテーマやりたくない」と言われたそうである。(ちなみにそのテーマは、その後助教先生が20実験くらい検討を重ねると成功し、B4に引き継がれて、もう論文化が見えている。)

 

それで助教先生は、絶対にうまくいく、共同研究の反応開発の反応機構解明のテーマ(テーマ③)を与えた。反応の開発自体は別研究室の学生がやっており、彼が反応機構解明のNMR実験などを行う予定である。この実験は、うまくいってる研究の機構解明の実験であり、手を動かすことは多くなくどちらかというと計算が多めである。

しかしこのNMR測定は、機器の都合上土日に行う必要がある。彼は、それならば平日は休みたいと希望したが、教授先生は一度それを突っぱねた。しかしその後助教先生が交渉し、土日にNMR実験を行うならその分平日は休めるようにしたそうである。助教先生も大変だなぁ。ところが、先生がNMR実験を妨害されたことにそんなに腹を立てたのか、就活が忙しくなってきたことが原因か、彼はNMR測定を進めようとしなかった。(この辺が確か去年の12月頃)

 

そのため、助教先生は新しいテーマを与えた(テーマ④)。これも先生が昔行っていたテーマで、絶対にうまくいくやつで、平日の空いている時間に可能である。精製は少し手間だが、我々のロタキサン合成と同じようなプロトコルで、ざっとカラムしたのちに、ピーク時間の分かっているGPCをかければいいだけである。操作はプロトコル化されているので、無心で同時進行で大量に行えばよろし。というタイプである。それもどうやら、先生の求めるペースの1/2か1/3くらいのペースらしく、2日で終わらせて欲しい精製に1-2週間かかっている。でも彼は助教先生に厳しく叱らないでと要望しているから厳しく言うことも憚られ、助教先生は非常に困っているらしい。

 

そして、今年の5月中頃に彼の就活は終了し、今やっているテーマ④と平行して、テーマ③のNMR実験もやってね、と指示したそうだ。しかしデータが上がって来ず、土日に実験を行っている気配が無い。助教先生は彼に進捗を聞くと、「これとこれとこれはやりました」と報告される。でも「じゃあ後でデータ送ってね」といってもデータが来ない。そうこうしているうちに共同研究先はどんどんデータを更新してくる。助教先生は焦っていたが何もできない日々を過ごしていた。

 

 

そしてこの間、とうとう共同研究先の先生に怒られたらしく、「遅い。もう待てないから今出ているデータだけでも提出してしまう。」と。それで助教先生はとても落ち込んで機嫌が悪いのですね。

私、共感性が高いから、助教先生の気持ちに感情移入して私まで苦しい気持ちになってしまう。

私は助教先生がその共同研究先の先生のことをとても尊敬していて、「敵わないなぁ」と日々思っていることを知っている。その先生を失望させてしまったショックとか、でもそれはデータ出さない彼が悪いじゃん俺のせいじゃねえしという気持ちとか、でもデータを出させるのも俺の仕事だし、この現状は俺の力不足かな…という気持ちとか、想像してしまう。苦しいね。

 

 

という訳で、助教先生はこの間彼に、「今あるデータだけでも出して」と言ったのだが、それから彼は欠勤を続けているそうである。

 

私、その彼とそれなりに雑談するほうの関係だけど、その辺の研究の現状を全く聞いていなかったのね。まずテーマ③をまだやっていたことも知らなかったし、テーマ③が共同研究ということも知らなかったし、そのデータ提出を迫られていることも全然知らなかった。あとテーマ④の実験の進め方が雑だということも全然知らなかった。彼が、いわゆるかっこつけしいの隠ぺい体質だということも知らなった。すごくショック。

 

駄目よ現状を自己主張できない学生は。周りの人というのはね、助けてというと結構助けてくれるけれど、助けてと言わないと全く助けてくれないのよ。

 

 

という訳で、このような現状を聞いて、どうしたもんかなぁと思っている訳である。助教先生に「あなたはどうしたらいいと思う?」と聞かれたが、もう全然解決策が思い浮かばないよ。

 

 

まあそんなことがあったのですよ

とりあえず自習室追い出されるので書き捨て。

 

メチル基が取れた

原料合成Schemeの改善をしたよという日記。

 

 

私の研究テーマは、新規大環状分子を用いた超分子合成で、新しいわっか分子を合成して、なんか面白いことをやろうみたいなテーマなんですね。

 

 それで、B4のときに新しいそのわっか分子の合成スキームを開発したのですが、そのスキームはあんまりエレガントではないのですよ。

 というのも、合成の最後から2番目の脱メチル化反応がうまくいかなくて。

 これまでの脱メチル化で採用していた試薬だと副反応が起こり(原理上仕方ないとのちに分かった)、他の脱メチル化法を試しても反応が進行しないか壊れてしまう。

 そのため、しょうがないので保護基をメチルからMOMに変更して、塩酸だけで簡単に脱保護できるようにしたのですね。

 

 でもそのMOM体の合成もあまりうまくいかなくて。結局、とにかく早く合成を通したかった私は(合成スキームを完成させることを、合成を通す、といいます)(このわっか分子の合成自体がメインではなく、作ったわっか分子で色々するのがメインなので、早く先に進みたかったのです)、MOM体の合成スキームを確実に成功しそうなルートで選択したため、ステップ数が多くてあまりエレガントでなかったのですよ。

 それを私はものすごく気にしていて。さらに言えば、年次が上がって合成や研究の知識が付くと、もしかしたらメチル基外れるんじゃね…?と思って、少しずつ暇なときに検討していたのですね。

 卒業までにはメチル基を外したかった。こんな面倒くさい検討を後輩にやらせるわけにはいかない。私が方をつける、と思っていた。

 

 まずHBrでの脱保護の検討をしたのですね。BBr3とかAlCl3とかの激しめの脱メチル化剤を使用するとどうやら壊れているっぽかったので、比較的温和な試薬を選択した。反応は遅いながら進行しているようだったので、反応が完結するまで回してみたところ、1週間で反応は完結してメチル基が外れた。M1のいつだかだったと思う。

 上記のことを喜び勇んで先生に報告したが、1週間もかかるなら使えないね、と言われて却下された。私としては、余計に3ステップも増えるMOM体を作るくらいなら、放置するだけだし1週間回したいけど…?と思っていたが、まあ先生の言うことに従って大人しくMOM体を作った。MOM体で出来るならそれでいいじゃない、と先生はおっしゃっていた。でももうちょっと検討したかった私は、闇で検討を続けることにした。

 

 続いて、再びBBr3について検討することにした。M2の秋のことである。B4のときもBBr3の検討は行ったが、目的物は得られず、原料を一部回収し、あとはよく分からないcomplex mixtureを得ていた。この結果は原料が壊れていると思っていたのだが、後から考えるに、「モノは水層に行っていたのでは…?」と思いついたのである。(いや、当時から思いつけよという話ではあるが)。あと、MOM経由で作った目的物の色と、B4のときに試したBBr3での反応の反応系の色がそっくりだったため、実はできていたんじゃね…?と思ったのもある。

 この基質はピリジン部位とフェノール部位の両方を持つため、有機層に溶かすことが非常に難しい。きちんと中性にすれば溶けると先生はおっしゃったが、どうにもうまくいかなかった。酸性にすればピリジン部位と塩を形成して沈殿し、塩基性および中性にすればフェノールのヒドロキシ基が取れて水に溶けてしまう。

 でものちに思ったのですね。それならば一旦塩基性にして水層に移動させて、再び酸性にして沈殿を回収すればいいのでは?と。

という訳でM2になって再びBBr3をかけてみたのですね。50°C, overnightでかけてみたのです。でもその分液があまりうまくいかなくて。詳細はノートを見返さないと覚えていないのですけど、なんだか水層に溶けてくれなかっただか中和が上手くいかなかっただか、とにかく「分液せずに後処理する方法が無いと無理」という結論に達する程度にはうまくいかなかった。教授に隠れて実験をしていたので相談もできなかったしね。

で、なんだかなにがしかして沈殿を採取したのですよ。そしたらドンピシャ目的物の1H NMRスペクトルを得てしまうじゃないですか。これは行けると思って。でも反応は完結していなかったのか原料も回収したので、もう少し過激な条件が必要だと考えた。

 

そしてなんかいい条件ないかなーとscifinderを漁った結果、ジクロロエタン溶媒で実験すればもっと高温が可能じゃん?と理解し、それから酸性条件で沈殿をそのまま採取する後処理方法も見つけたので、分液しなくても大丈夫じゃん?と理解したのですね。

という訳で、就活も学会もちょうど終わって暇していた一昨日、100°Cの条件で、そのまま沈殿を採取する後処理をやったんです。メチル基が取れたっぽい1H NMRスペクトルを得ましたよ。しかしMOM経由で作ったものとはピークが違くて、私はおそらく塩の違いだと思っていて、MOM経由は塩酸塩だが、今回はBBr3を使用しているし臭化水素酸塩なのでは?と思っている。

 やったメチル基取れたよ!と先生に報告したのですが、先生はあんまり興味なさそうで、「どちらでもいいですよ」といった程度の感想しか頂けななった。そのことに私は大変ご立腹である。先生が喜んでくれるかなって思ったから報告したのに、喜んでくれないならいいよ、これまでと同じように闇で実験するだけだもん、修論で勝手に差し替えるので十分だよ。と思っています。

 先生に本当にできているか分からない、と言われたので、しょうがないのでもう一回合成してそのままヘキシル化でもして2ステップ収率を出してあげるよ、そうすれば文句ないでしょ。と思っています。

 

 

やーマジで適当に書いたから分かりにくいだろうけど、備忘録なのでこのまま上げるね。

座右の銘リスト

私が心に溜めている座右の銘を記録しておく記事。思いつくたびに追記していく。

 

 

為さねば成らぬ

武田信玄の歌、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」より。

為せば成る、は偽だが、為さねば成らぬ、は真だと思っている。

高校受験の際、塾のチラシにあった合格体験記で誰かの先輩が言っていた台詞を見たのがきっかけ。

よそ行き用の座右の銘を聞かれたらこれを答える。

 

 

好きこそものの上手なれ

ことわざより。

高校時代などにもうちいていたよそ行き用の座右の銘

化学好きだよ。

 

 

毒喰らわば皿まで

ことわざより。

日本人は損切りが苦手なので、このメンタリティになることが多いよ。

だから私は、一度引きこもったら半年ガッツリ引きこもって出てこないのです。

生娘でなくなったら、経験人数は1人だろうが10人だろうが変わらないのです。

一度犯罪者になったら、万引きも強盗殺人も犯罪者という事実は一緒なのです。

毒喰らわば皿までです。

 

 

過酷で役に立つ仕事は、自分の存在に疑問を抱かないためのよく聞く麻酔です

宝石の国市川春子、1巻より、ルチルがシンシャの夜の見回りを指して言うセリフ。

だからブラック企業の仕事は、ある意味救いだと私は思う側面もあるのです。

 

 

実験数は裏切らない
頭の良さは研究において必要条件ではない。
この世は実験結果を出した者が全て

助教先生がよく言うセリフ

 

 

秘密はひとりで   内緒はふたりで

パスピエ『裏の裏』より

秘密をもって生きていきたいですね。

 

 

最初に覚えたい!古典的Pdカップリング反応7選

始めに

クロスカップリング反応は、有機合成では非常に重要な反応のひとつです。戦後に開発された反応で、多くの日本人が関わっています。マクマリーにはほとんど載っていませんが、研究室では日常的に使用する反応になるので、知っておいて損はありません。

今回は、最初に覚えるべき古典的なPdカップリング反応を7つ紹介します。

(エクスキューズ:査読を受けていないし、私はしがない修士学生なので、間違っている情報が載っている可能性もあるので、その時はごめんなさい。)

 

 

 

 クロスカップリングの一般的な反応機構

 クロス選択的にカップリング反応を進行させるためには、有機ハロゲン化物と有機金属試薬を組み合わせることが一般的です。反応は以下の流れで進行します(下図)。

  1.  ハロゲン化アリールの酸化的付加(Pd(0)→Pd(II))
  2. 有機金属試薬のトランスメタル化(Pd(II)))
  3. 還元的脱離でカップリング生成物の生成とともに触媒が再生(Pd(II)→Pd(0))

 

様々な有機金属試薬を利用したカップリング反応が開発されており、それぞれに人名反応が付いています。以下にひとつずつ紹介します。

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一般的なPdカップリングの反応機構。ケムステを参考に自作。

 

 

 

1. ビアリール形成反応

1-1. Stille カップリング:スズ

有機スズ化合物 R-SnBu3 とトランスメタル化する反応。

ほぼ中性の穏やかな条件で反応が進行することが利点。天然物合成の最終段階によく登場する。

有機スズ化合物は有毒なのが注意点。

ビニルスズ化合物の利用もよく見る印象。

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1-2. 根岸カップリング:亜鉛

有機亜鉛化合物 R-ZnCl とトランスメタル化する反応。

亜鉛ソースにはZnCl2が一般的。

後述の熊田カップリングと比較して温和な有機金属試薬のため、副反応などを抑制できる。

アルキル亜鉛化合物も利用可能らしい。

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1-3. 熊田カップリング:マグネシウム

有機マグネシウム試薬(グリニャール試薬) RMgBrとトランスメタル化する反応。

反応性が高い。しかしグリニャール試薬と反応する基質は使用できない。

歴史的にクロスカップリング反応の先駆けであり、今でもよく利用される。

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1-4. 鈴木―宮浦カップリング:ホウ素(ボレート)

ボロン酸 R-B(OH)2と塩基からなるボレートとトランスメタル化する反応。

ボロン酸そのものでなく、そこに塩基を加えたボレートが活性種であることに注意。

ボロン酸が安定で容易に調整でき、塩基を加えるだけで反応が進行することが利点。

ただし塩基不安定な基質は利用が難しい。

ビアリール形成のファーストチョイスは鈴木宮浦反応と言っていいくらい、メジャーな反応。

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1-5. 檜山カップリング:ケイ素(シリケート)

有機ケイ素試薬 R-Si(OR)3 とフッ素などの強いLewis塩基とからなる、有機シリケート種とトランスメタル化する反応。鈴木宮浦カップリングのケイ素版。

大きなマイナスポイントとして、ケイ素の置換基にはヘテロ原子やアリール基が通常必須となる。トリアルキルシリル基の場合にはシリケート種の形成が困難。現時点ではヘテロ原子置換ケイ素化合物の穏和で一般的な合成法に乏しく、鈴木宮浦カップリングほど応用展開が進んでいない。

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*実際、この反応は私も今回このブログを書くにあたり始めてきちんと認知した。他の反応と比較してマイナーな印象はある。

 

 

以上が一般にビアリール形成に用いられる反応である。

これらの反応は有名で使い勝手がいいために、様々な変法が開発されており、現在ではアリールだけでない様々な基質に展開できる。(私は詳しくは知らない。)

以下は、アリール以外の基質を利用する反応を紹介します。

 

 

2. その他の構造形成反応(アルキン、アルケン)

2-1. 薗頭カップリング:アルキン(アルキニル銅)

アルキンとヨウ化銅が反応したアルキニル銅とトランスメタル化する反応。

ヨウ化銅はトランスメタル化の際に再生するため、触媒量でよい。

アルキンの導入といえば薗頭というくらい定番な反応。

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2-2. Heck反応:アルケン

Heck反応の反応機構は、これまでの反応とは少し異なり以下のように進行する。

  1. ハロゲン化アリールの酸化的付加
  2. アルケンの移動挿入migratory insertion)反応:パラジウムがアルケンにsyn付加する
  3. β水素脱離β-hydride elimination)反応:パラジウムの隣の炭素に結合した水素と、パラジウムがsyn脱離して、アルケンが生成する。
  4. Pdは2価のままなので、塩基で還元してPd(0)が再生する。

アルケンには電子吸引基(エステルなど)が結合した基質を用いることが多い。位置選択性を制御するためである。電子吸引基が付いていない方の炭素で選択的に反応する。反対にエーテルなどの電子供与基が結合した基質は反応位置の制御が難しい。

(余談だが、オレフィンメタセシスの基質も、電子吸引基を導入した基質はクロス選択性がよい。)

 

 

 

以上、最低限の情報だけ纏めました。

このブログ記事を書こうと思った経緯を一応書いておきます。

私は今ニッケル触媒を利用したハロゲン化アリールのホモカップリング反応(山本カップリング)を少々扱っていまして、その反応の総説をこの間読んだのですね。そこのintroに、パラジウムカップリングの例として上記の7つを挙げていました。せっかくの機会なので一覧にしてまとめたいと思い、記録した次第です。

本当、学部3年生や4年生が勉強するべき内容なのですが、まあいつになっても勉強には遅くないということでね、まあ許してね。

ちなみに、弊研究グループでは薗頭反応と鈴木宮浦反応は日常的に使用します。これにWilliumsonエーテル合成を加えた3反応が、弊グループの化合物の合成でよく使う3種の神器ですね。出来るだけこの反応を利用できるように、構造と合成スキームを設計する。

 

せっかくなら上記の反応に加えて、Pdカップリングとして有名なBuchwald-Hartwigアミノ化や辻・トロスト反応も追記したかったのですが、もう日付回っていて眠いのでまた今度ね。

 

助教先生とのやり取り記録

 

 

先生

今年のラボ内テストの結果どうだった?(*弊ラボでは毎年この時期に有機化学と英語のテストを行います)

 

まあそんなにできた訳では無かったですけど、今の私の実力相応って感じですね。もっとお勉強しなきゃですね。

 

先生

まあ大丈夫だよ。奥田さんは研究者としての素質を持っているから

 

どの辺を指して言ってます?

 

先生

じゃあM1の3人で一番研究が進んでいるのは誰だと思う?

 

うーーーーーーん(長考)分からないです

 

先生

じゃあ反対に一番有機化学のお勉強ができるのは誰?

 

えーN山じゃないですか、知らないけど。

 

先生

その感覚は合っていて、3人のうち一番有機化学が出来るのはN山なんだけど、では一番研究が進んでいるのはって考えてらこれは意外にもF澤なんですよ。

ね、相関が無いでしょ

 

そうですねぇ。

 

先生

研究職にとって、お勉強ができることは必要条件ではないんですよ。そりゃあった方がいいけど。Y=aX+bでのbに相当する感覚なんだよね。

 

なるほど、確かにあった方がいいのは事実ですが、傾きの方が大事ですね。

 

先生

彼らみたいな(お勉強はできるのにあまり手を動かさなくて実験が進まないタイプ)は、うまくいかない理由を探すのが上手なんですよ。そしてその理由でもって、だからうまくいかなさそうだからやらなくていいい、という主張を稀にするんですね。それは頂けないですね。やってみてうまくいかないことを確かめるのが研究だからね。

 

その通りですね。

 

あの、よくいるじゃないですか、「あいつの方が頭悪いのに、教授の言われたとおりに実験しているだけでポンポン成功して成果が出るなんてむかつく」みたいな。あれは私は真だと思っているのですけど、先生はどう思っているんですか。

 

先生

あのね、(ここから熱く語り出す)俺がその学生に言いたいのはね、君がそういう主張をするんだったら、自分で考えて研究計画を立てて実行して成果を出しているんですか、と聞きたいですね。結果が全てなんですよ、研究職って言うのはね。結果が全てなんです!(もっと熱く語っていたがよく覚えていない。)

 

ふーん。ふぅーーーん(納得できず咀嚼中の返事)

 

先生

まあその学生の気持ちは分かるんだけどね。

 

 

 

とりあえず記録したが、私はまだこの話を咀嚼できていない。

 

 

私は、そういう主張(あいつは俺よりも頭悪い癖に~)を聞くと、「あなたより優秀でないから簡単なテーマを与えられて成功してごめんなさい」という気分になる。

 

 

以下私の主義ですけど。

最も教授のお手をお煩わせしない学生が最も優秀だ、と思うのですよ、私。

つまり村上先輩。あとは近田先輩とか。

ああいう、誰に相談しないでも一人で研究計画を立てて実行できる人間が優秀だと、最も評価されるべきだと思っている。

 

だから、私のM1のときみたいな、1反応かけるごとに先生に相談してじゃないと次どういう条件を振ればいいのか分からない状態とか、F澤みたいな操作ごとに細かく教授に聞いて実験を進める状況は、優秀でなくてけなされるべきで評価されるべきでないと思っている。少なくとも村上先輩はそういう学生を批判しているように私は感じていた。

 

先生に相談しなくても次にどうすればいいか判断して勝手に実験を進められることが優秀である証だと、私は判断している。

 

違うの?

でもなんか4年生を見ていると違うような気もしてきたの、最近。でも分からない。

もう分からないよ。

 

 

 

 

 

 

Jounal Club Expressの記録

おそらく一般には、『抄録会』が通じると思うんですよね。

論文を一つ選択して、その要旨をA4 1-2ページにまとめて、その内容を発表するゼミの一種。

弊ラボではJounal Club Express (JCE) と呼ぶことにしていますが、コロナの昨年度から助教の提案で始まった新しい試みなんですね。

 

私今回始めてその原稿を書いたので、その感想を書きます。論点が取っ散らかりそうですが、そうならないように気を付けて書きたい。

 

 

選んだ論文について

M1以上は、自身の研究テーマとの類似性とかあまり考えず好きに選んでいいよ、と助教に言われたので、マゾヒスティックに自分の専門とは離れた分野の論文を選ぼうと思った。

結局ロタキサンの論文にしてしまいましたが、以下の論文です。

 

Using the Mechanical Bond to Tune the Performance of a Thermally Activated Delayed Fluorescence Emitter

機械的結合を利用した熱活性遅延蛍光エミッターの性能調整

Angew. Chem. Int. Ed. 2021, 60, 12066 –12073.  DOI: 10.1002/anie.202101870

https://www.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.202101870

 

有機EL材料の分野の論文で、TADFという新しい仕組みの発光を示す化合物を、ロタキサン構造の機械的制約によってコントロールした初めての報告になります。

Angewandteのcorrent issueにちょうどあったので、hot paperだし、私が眺めていたら助教先生が興味も示すし、もう最初のJCEにはこの論文しかないと思って選びました。

 

光化学も分光化学も計算化学も全く分からなくて、知らない用語だらけでひいひい言いながら読みました。

頑張って勉強した用語をA4にまとめたのだけど、発表では使わずに日の目を見なかったからここにアップして供養するね。

TADFとは (PDF)

 

ついでに言うと新しい助教先生の研究内容は、(秋に聞いたきりだからあまり覚えていないのだけど)、フォトルミネッセンスとかの研究もものすごくやっていた方なんですね。だから多分助教先生はこの分野にすごく詳しい。今年からの新入生は新しい助教先生の研究テーマをやる訳で、記憶の限りあからさまに有機発光材料みたいな研究テーマの学生はいなかった気かするけど、このへんの研究を後輩が扱うことになった場合に、上の学生たる私 が分かっていないとまずいじゃん?という訳で目を通したかった。

せっかく大手を振って論文を読み込めるなら、自分一人のモチベーションでは投げ出してしまいそうな難しい論文を選びたかったのですよ。でも我々の専門もロタキサンも利用しているからなんだか選ぶ理由がありそうな論文じゃない??

という訳で目的に適った論文のチョイスだと我ながら思う。

 

我々の研究室の研究内容について

助教先生に昔聞いたところ、アクセプトされている内容だったら研究について別にブログで言っても問題ないよ、と言われたので、以下の内容はここで書いても問題ないと判断しています。)

 

我々の研究室の専門はロタキサン合成なんですね。しかも比較的マイナーな合成法を専門に取り組んでいるんです。触媒的スレッディング法(一般にはおそらくアクティブテンプレート法、の方が通りがいいと思う。しかしうちのボスがスレッディング法と名付けたのでそう呼称します。)という方法なんですけどね。詳しくは省略します。うちの研究室のHPでも見たほうが早いわ。

ただその応用とか、解析とか、そういったところは全く門外漢なんですよ。(応用はちょっとだけやっている。そんなに花開ている訳ではない。そして私の研究テーマは合成の研究テーマであり、応用分野ではない。)

 

この分野って、いわゆる分子マシンみたいな超分子化学に足突っ込んだ分野なんですけど、じゃあ我々(私)がそのような研究分野に明るいかと言われると全くそんなこと無くて、私は研究室生活4年目にも関わらずロタキサン構造がどのような分野に応用されているかよく知らないし、超分子分野に片足突っ込んでおきながらこの研究分野の進展や最新情報を全くと言っていいほど知らない。これはねぇ、本当にめちゃくちゃコンプレックスなんですよねぇ。

なーんかいい感じの総説でも読んだ方がいいのかしら。もう何から手を付けたらいいか分からないのよね。半年前からずっと思っているのですけど。

 

 

本家Jounal Clubについて

弊ラボが以前から毎年行っていた、本家のJounal Clubについて書いておきます。

内容を正確に表すならば、『全合成論文を用いた有機化学の反応機構等の勉強会』と呼称するのが適切だと考えています。

天然物などの全合成論文を一つ選択して、その原料合成から、全ての工程の反応機構と立体選択性その他を詳細に記述する、ゼミの一種です。

有機化学系の研究室ではままやっているのかしら?単純に有機化学のお勉強になるので、その意味で非常にいいと思う。

反応機構を書きまくることで、しょっちゅう出てくる保護/脱保護や酸化還元の試薬や反応機構は覚えちゃうし、「なるほど大抵の有機化学反応は求核試薬が求電子試薬を攻撃することで進行するのだな」「なるほどカルボニルはルイス酸で活性化させて求核試薬が付加するのだな」「なるほどカップリング反応の触媒サイクルはこう回るのだな」「なるほどエナンチオ選択的合成反応開発には需要があるな」「なるほどこの反応は立体選択性の制御が大変そうだな」「なるほどこの段階が鍵反応で、それ以外は分かり切ったプロトコルなのだな」「確かにこの合成スキームはあんまりエレガントじゃないな」とかこの辺が少しづつ感覚で分かってくるようになるので、とても実になるゼミなのではないでしょうか。

 

平均10-15ページ、長くしようと思えばどんどん長くなりますね。蛇足ですが、この間の4月に本家Jounal Clubで私は35ページの大作を投稿しました。

ch2cl2.hatenablog.com

 

 

同期のU君が4年生の時に言っていましたけど、このJounal Clubって要はオナニーショーなんですよ。私は有機化学の反応機構その他についてこれほど理解していますよ、と周囲にアピールする会なのです。だから自分が満足するように、とことんまでこだわって作るのが正解だと思っています。

…これ男子学生が言うからギリギリ許されるのであって、同じ言葉を私が使う訳にはいかないところに一抹の悲しみがあるな。

 

 

 

JCEとは何を目的に行うべきなのか

さてでは今回のJCEの目的ですが、助教先生からちらっと聞いた話を私なりに解釈したので、助教先生の思っている本当の目的は違うかもしれませんが、まあ今の私はこう解釈しているという意味で以下に記録しておきます。

 

・学生に論文を読む機会を強制的に与えること、ひいては論文を読む習慣をつけさせること。論文の言い回しに慣れさせること。

・論文を斜め読みする能力を身に付けること。論文を見て、重要な内容がどのあたりに書いてありそうか理解できるようになること。論文の構成はどのようなものか理解すること。

・論文の言いたいことを端的にまとめてアウトプットする能力を身に付けること。

・ついでに、研究内容を他人に分かりやすいようにプレゼンする能力を身に付けること。ゼミの質疑応答を通じて、研究に対する質疑応答の練習をすること。

・そして、自分の研究の周辺分野の理解を深めること。また、自分の研究への関連に関わらず、最新の研究トピックについての広く浅い理解を得ること。

 

以上、このあたりが、JCEの目的だと私は解釈しています。

助教先生曰く、「俺は前の旧帝大助教していた時、門下の学生には週一でこれをやらせてたけどね」とのことで、サクサク沢山論文を読むことを第一の目的としている会なのだと、私は解釈している。

助教先生曰く、1-2時間程度でサクっと作ってどんどん沢山論文を読んで欲しいらしい。

 

(今回私が原稿を作るのに何時間かかったか記録を見返してみた。おそらく10時間くらいかけている。初回ということと、専門外の分野すぎて用語のお勉強に時間をかけすぎたせいだと思いたい。あとconclusionを最初に読めばよかった、これは本当に反省。ただ、自粛期間の実験の代わりとして出されいてる課題なので、それなりに読み込むこと が求められているのかもしれない。)

 

 

 

「俺は前の旧帝大助教していた時、門下の学生には週一でこれをやらせてたけどね」

私、この言葉はJounal Clubの発表直後に聞いたのですよ。自分的に満足のいくクオリティの文献紹介を発表して満足していた心に水を差され、まるで私の3年間は無駄立ったと言われたかのように解釈した私は、日曜日に誰もいない研究室で椅子を蹴り飛ばし酢エチの試薬瓶を叩き割り暴れまわったのですね。

↓その時の心の叫びを書いた記事。

ch2cl2.hatenablog.com

(我ながら認知の歪みがひどいと冷静な私は思うが、心の奥の私は今でもとても共感する。つまりこの思考回路は普段は封印しているだけで、常に思ってはいるのですよね)

 

 

 

 

で、上記の助教先生の言葉にきちんと煽られた私は、自主的に週一でJCEをシコシコ作成したのですね。

面倒くさく思っても、助教先生に煽られたと感じた悔しい気持ちを思い出し、せっせと論文を読んだ訳です。今回の発表版は6作目です。

流石にコアタイム中にやるわけにはいかないから、週2で研究室に泊まって仕上げました。助教は1-2時間で仕上げろよと言うけど、結局3-4時間くらいはかかってしまう。もっとこなれたら短時間で出来るようになるかしら。

クオリティよりも仕上げること、続けることを合言葉に、数時間かけてできなかったところは出来ないで諦めている。

論文の選択はJACSのCorrent issueから直感で行っています。私の研究に比較的近い超分子合成系から、ゴリゴリ反応開発家系から、バランスよく選ぶようにしている。

反応開発の論文って、本当にプロトコルがはっきりしているからすぐ論旨が分かって、ぶっちゃけ手抜きしたい週に選択していました。

 

これまでの6作のJCEを振り返って

・まず、論文を読み物として読むのって楽しいのだな。知らない分野の知識を得ることは楽しいのだな、と思いました。これは私の研究にどう応用すればいいのだろうか…とかを考えずに、ただただ、この研究凄いなぁ、面白いなぁ、interestingだなぁ、と思いながら読むのは面白いです。特にJACSなんてキャッチーで面白い論文が多いですから、読んでいて面白いですね。

JCEとして内容をアウトプットする必要があると思うと、論文を読むモチベーションになります。ただ読むだけだとどうしてもモチベーションが上がらない。

・introductionを読むのが一番時間かかるし、一番面白いですね。イントロ読んだら結構満足してしまう。要は何をやって何がすごいと主張しているのかは、全部イントロに書いてあるし。イントロはそうであるべきだし。

・ぶっちゃけまだまだ機械翻訳に頼り切った方が早く読める。ちょっと反省はしている。用語はできるだけ英語で確認するようにしている。

・私の研究内容に近すぎると、「世は人々はこんな素晴らしくて面白くて実用性の高く、化学界に大きくインパクトを残す成果を出しているのに、対して私は何とちっぽけでインパクトファクターの低い研究を行っているのだ」と悲しくて仕方がなくなるので、あんまり読みたくない。いや、そういうのこそ読む必要があることは分かるのですが。

 

 

新聞のように論文雑誌を読むということ

先ほど暴れまわった前日にね、助教先生に論文誌の読み方というものを教わったのですよ。

「デスクトップにJACSとAngew(化学業界の2大雑誌)のcorrent issueのページをブックマークしておいてだな、そこを眺めるんだよ。もう図だけ眺めるの。それでふーんこんな論文なの、って思うじゃん。で、気になるものがあったらリンクを飛ぶの。そんでまた論文の図だけ眺めるんだよね。それでまあ大体何をやった論文かは図だけ見ても大体分かるから、それで、「ふーん」と思って終了。ACS(出版社)の雑誌の論文なら1クリックでmendeley(文献管理ソフト)に登録してくれるボタンがあるから、そこ押しといて、さらにめっちゃ気になったり精読すべきだと思ったら、読む感じ。雑誌いっぱいあるけどとりあえずJACSと Angew読んどけば十分だよ。まあこんな感じに、我々教授陣も、論文めっちゃ見ているけど、全部読んでいる訳ではないんだよね。これ見たことあんな、とふわった把握している程度。だからこそ学生には自分の研究分野ドンピシャの論文は、きちんと読んで把握して欲しい。」

とのこと。

 

私これを言われて悔しすぎて、これをブログに書き起こす気になるのに1ヶ月を要した。これをしてこなかった私の3年間は無駄だったと言われたかごとく悔しかった。

 

ただ、これをようやくこなせるのってM3になったからだとは思っているのよね。M1まではさ、私の研究をどうにかこなすのに精いっぱいで、他人の研究内容になんか興味を払う余裕が無かったというか。なのでこれは運命のタイミングだったのだなと思おう。私は運命論者なのだ。

 

 

 

 

以上。

1週間も休んだらすっかり5月病だけど、まあ再開したらどうにかやる気 が復活すると思っているので、まあ頑張りましょう。

これからもシコシコ週一でJCEの原稿を夜長に書き上げますわ。

 

 

みんなのA列車で行こうPCが楽しすぎる

私、ずっとcities; skylinesというゲームがやりたいと、半年前から大声で言っていたのですよ。

しかしあのゲームは高スペックPCが必須なので、私のCPU 2.4 GHzしかない低スぺノートPCじゃ最低動作環境にも満たなかったのですよ。

それで、PCゲームに詳しい後輩にお勧めを聞いたところ、みんなのA列車で行こうPCをおすすめされたのですね。

あれはノートPCでも動くことを謳っているから大丈夫ではないかと。

www.artdink.co.jp

 

しかもGWにセールをやっているではないですか。

という訳で買ってしまいました。お値段3,000円也。初めて自分の金でゲームを買ったと思う。青春時代は無料Flashゲームに傾倒していたから。

 

現在まだまだチュートリアル第2章の途中だけれど、とってもとっても楽しいです。

このゲームはジャンルで言えば鉄道シミュレーションなんですね。

街があるから、線路と駅を好きに敷いて、鉄道を市民が利用してくれて、すると少しづつ街が発展していくから、その発展の様子を眺めて楽しむゲームです。

私昔からこの手の経営シミュレーションゲームが大好きだったのですよ。本当に本当に楽しい。

収支がプラスになって、どんどん利益が向上していくところを眺めるのが本当に本当に楽しい。

 

以下感想を垂れ流します。箇条書きで失礼しますね。

 

  • 私は別に列車が好きな鉄オタでは全然ないのですけど、そういえば昔から路線図は好きでしたね。美しいよね。
  • 例のこのゲームを進めてくれた後輩(4年ほど前にプレイ済み)に「環状線がいいですよ」とオススメされた。なるほど確かに環状線だと、電車同士の正面衝突が絶対起こらないので、管理が楽ですね。
  • それから、立体交差の交差点が私はとっても好きなのですけど、作り放題なので本当に楽しいですね。お金はものすごくかかりますけど。
  • 貨物列車の貨物扱いはこちらで指定してあげなくてはならないのですけど、それが非常に面倒くさいですね。貨物ステーションとかを作った方がいいのか…
  • 街の地図がアナログで欲しくなってきました。そこに色々と書き込みたいし、街ごとの資材生産状況の一覧が欲しい。そしてそのデータをエクセルとかでカチャカチャいじって、いい感じの資材運搬計画を立てたい。
  • たぶん公式攻略本にその手の情報が載っているんだよね。通販で買っちゃおうかな。PDFデータとどちらがいいかな…。紙の買ったらPDFデータも一緒についてこないかな。
  • このゲーム、2-3時間ぶっ続けでやると一旦満足して辞めたくなるのだけど、しばらくするとまたやりたくなるのですよね。嗚呼もう中毒性の高いゲームだこと。
  • ここ3日で12時間くらいやってる…。本当はやらなきゃいけないデスクワークが大量にある…。一旦ゲームは辞めにしてそれらをやらなくては…。やっぱり家にいると駄目だ。学校に行こう…。4階とかに行こう…。図書館でも可…。

 

ひとまず以上。